モノコトシンプル 自由な暮らし

モノはそれほど必要なかった。自分でできるコトを増やして、身軽な生活を楽しみたい。

「自分でできる」は楽しい-外国編1

学生時代、とある外国で過ごした時期がありました。

ほとんどの日本人が行くことのない国で、その国の名前を知らない人も多いと思います。

 

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そこではお湯が毎日でなくて困ったり、道端で売られている動物に驚いたり、革命が起きてショックを受けたり、顔面がゆがむ謎の症状(顔面麻痺?)に悩まされたり、今考えると笑っちゃうような体験が多くありました。

 

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でもその国の人々はいつも表情豊かで生きる力が強くて、不便はあっても自分でモノを作り出したり、自分でできるコトで解決したり、工夫して生活していて、私はすごく憧れを持つようになりました。

同時に自分のできるコトの少なさに気づき、自分もできるコトを増やしたいという思いが強くなっていました。

 

そんな頃、不思議な換金所のおばちゃんとの出会いがあり、顔面がゆがむ謎の症状は突然の回復を見せました。

 

その国では換金時は注意が必要で、どの換金所も箱型で鍵がかかるような造りになっていました。

私はいつものように換金しに行き、いつものようにお金を受け取って金額を確認しようとした瞬間、その換金所のおばちゃんはいきなり大きな目をカッと見開き、ドアの鍵を開けて私に近寄ってきました。

 

こんなことは初めてで、とても驚いて腰が引けてしまいました。

おばちゃんは私に何かしゃべりかけてきたのですが、早口で聞き取れず、私はマズイことになったとすごく焦っていました。

そうこうする間におばちゃんの手が私に伸びてきて、私は思わず身をすくめました。

するとおばちゃんは驚いた表情の後、笑顔になって「大丈夫」とゆっくり言いました。

 

私は訳が分からずに困っていると、またおばちゃんの手が伸びてきて、私の顔に指の先が触れました。

「1、眉間を時計回りに5回、

 2、左右の首筋を上から下に5回、

 3、鼻の両脇をぐりぐりするのを5回、これを3回やりなさい。」

そう言いながら私の顔面をマッサージした後、おばちゃんは何でもない様子で箱の中へ戻っていったのでした。

 

不思議なことに、家に帰って鏡を見ると、顔面のゆがみが治っていました。本当にうれしかったです。

私はおばちゃんにお礼を言いたくて、何度も換金所でおばちゃんを探したのですが、その後お会いすることはありませんでした。

 

私は現地の同僚に「こんなことがあった。このマッサージはこの国の人にとっては一般的なことなの?とっても良いマッサージを教えてもらって感謝している」と話すと、同僚は、「そのマッサージは初めて聞いたし、換金所のおばちゃんがいきなりマッサージしてくるなんて話も聞いたことがない(笑)貴重な体験をしたね。」と驚かれました。

 

あのおばちゃんが私にできるコトを一つ増やしてくれました。

私は今もその経験を大事にしています。

 

 

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